更新日: 2024年12月17日
新しい通信規格5Gは生活やビジネスに大きな進歩をもたらすとして話題になっています。しかし、5Gとは具体的にどのようなものなのか「実はよく知らない」という人もいるのではないでしょうか。本記事ではそのような人に向けて、5Gと4Gの違いや5Gと光回線の違いから、5Gのメリットや注意点、展望について解説するので、ぜひ参考にしてください。
5Gとは
通信規格につく「G」はGeneration(世代)のイニシャルです。5G(ファイブジー)は第5世代移動通信システムを意味します。1980年代以来、移動通信ネットワークは1Gから2G、3G、4Gと進化を続け、ついに5Gに至りました。
1G |
1980年代に登場 アナログの通信規格で音声通信のみ可能 |
2G |
1993に年登場 通信規格のデジタル化とデータ通信が開始され、テキストデータができるようになった |
3G |
1999年に世界基準の高速通信規格が登場 10M~20Mbpsの高速通信が可能 |
4G |
2010年代に速度100M~1Gbpの高速化技術「LTE」が登場 スマートフォンが快適に使える通信環境が整備された |
5G |
2020年に実用化された超高速通信規格 通信速度は下りで最大10Gpsと4Gの約10倍に スマートフォンだけでなく、大容量のデータ通信を行うさまざまな電子機器も快適に使用できる |
5Gと4Gの違いとは
両者のおもな違いである「超高速」「多数同時接続」「超低遅延」の3点について、それぞれ解説します。
超高速(eMBB)
5Gの特徴として、高速化技術LTEを使用した4Gと比べても通信速度が圧倒的に高速であるという点があります。4Gの通信速度は最大でも1Gbpsです。一方、5Gの最大速度は10Gbpsと、まさに、4Gの10倍に相当する超高速です。4Kや8Kといった高精細映像も超高速で伝送できるようになったため、遠隔医療などへの活用も期待されています。
また、4Gではデータ通信量が多くなると速度が低下する場合がありますが、5Gは大容量通信を効率的に処理できるため、ストレスなく利用できます。この「超高速」は、デジタルライフをさらに豊かにする大きな進化といえるでしょう。
多数同時接続(mMTC)
5Gの提供開始により、同時に接続できる機器の台数も大幅に増加しました。1平方キロメートルあたり100万台が接続できるとされており、4Gの接続台数のおよそ100倍です。この特性は、IoT(モノのインターネット)の普及を支える重要な要素となっています。
たとえば、スマートホームやスマートシティでは、家電、車、センサーなど多くのデバイスがネットワークに接続され、データをリアルタイムでやり取りします。5Gはそのすべてをスムーズに接続できるため、次世代の都市インフラや自動化システムを支える基盤となります。
また、イベント会場やスタジアムなど、人が集まる場所でも安定した通信環境を提供できるため、5Gは現代社会における「つながり」をさらに強化します。
超低遅延(URLLC)
データの伝達がほとんど遅延しないことも5Gの大きな特徴です。データ通信を開始してから受信するまでに発生する遅延はわずか1ミリ秒程度とされており、遅延を4Gの10分の1まで削減できます。
この超低遅延は、自動運転や遠隔医療といった高精度なリアルタイム通信が求められる分野で非常に重要です。たとえば、自動運転では、車両間の通信や交通インフラとの連携が迅速に行われる必要があります。わずかな遅延でも事故につながる可能性があるため、5Gの低遅延は安全性の向上に直結します。
また、遠隔手術では、医師が手元の操作をリアルタイムで患者に反映させる必要があります。この場合でも、5Gの超低遅延は不可欠です。さらに、VRやARを活用したエンターテインメントや教育分野でも、遅延のないリアルタイム体験が可能になります。
このように、超低遅延は単なる速度の向上にとどまらず、私たちの生活や産業に大きな変革をもたらす可能性を秘めています。
5Gと光回線の違いとは
主な違いである「通信速度」「導入工事の要不要」「有線接続の可不可」に加え、利用シーンの比較について解説します。
通信速度
一般消費者向け光回線の通信速度は100Mbps(0.1Gbps)~1Gbpsです。一方、5Gの最大速度は10Gbpsなので、5Gは4Gの10倍から100倍、通信速度が速いということになります。光回線でもオンラインゲームや4K・8K 動画などを十分に楽しめますが、5Gではさらに快適に大容量のデータを使用するコンテンツを満喫できるようになるでしょう。
※参考:各ブロードバンドの概要及びメリット・デメリット|総務省
5Gは導入工事が必要なく持ち運びできる
光回線は固定回線のため、利用に先だって導入工事が必要です。つまり、契約してからも導入工事が完了するまでは利用を開始できません。一方、5Gはモバイル通信なので導入工事は不要です。光回線と違って工事の完了を待つこともなく、契約すればすぐに利用を開始できます。また、5G対応エリア内であれば、どこでも機器を持ち運んで5G利用が可能です。
5Gは有線接続ができない
光回線はインターネットを利用する機器と有線接続すると、かなり安定した通信速度を保てます。一方、5Gは電波を利用するため有線接続に対応しておらず、電波状況によっては通信速度が安定しない場合があります。電波状況に左右されない通信環境を確保したい場合は、光回線の有線接続が有利です。
このように、5Gと光回線にはそれぞれの特徴とメリット・デメリットがあります。そのため、5G普及後も光回線と併用したほうがいいでしょう。
光回線と5Gの適した利用シーンの比較
光回線と5Gは、それぞれの特性を生かした利用方法があり、選ぶべきシーンが異なります。
光回線は、安定した高速通信が求められる状況で力を発揮します。たとえば、在宅勤務やオンライン授業では、大容量データのやり取りや、ビデオ会議を頻繁に行う必要があります。このようなシーンでは、光回線の優れた通信速度と安定性が非常に役立ちます。さらに、光回線は、同時に複数のデバイスを接続しても速度が落ちにくい特徴があります。そのため、家族全員が動画配信サービスを視聴したり、オンラインゲームをプレイしたりする家庭にも最適です。
また、光回線は無線通信よりもセキュリティ面で安心感があるため、企業のオフィスや金融機関など、高度なセキュリティが求められる環境にも適しています。具体的な例として、データセンターや大型オフィスビルでは、光回線を利用することで、業務の効率化やセキュリティの向上が実現可能です。このように、光回線は固定された場所で安定性を重視する利用シーンでその強みを発揮します。
一方で5Gは、移動中や一時的な利用に特化した環境で真価を発揮します。たとえば、外出先でのスマートフォン利用や、モバイルワークを行う場合に5Gの高速通信と低遅延は非常に有効です。特に、クラウド上でのデータ作業やリモート会議をする際には、安定した接続を必要とするため、5Gのメリットが感じられるでしょう。
さらに、イベント会場や災害時の臨時通信環境としても5Gは有用です。5Gの多数同時接続機能(mMTC)により、大勢の人が集まる場でも安定した通信が可能になります。災害時には、避難所や現場での迅速な情報共有に役立ち、社会インフラとしての役割も期待されています。また、モバイルデバイスを用いたライブ配信や、VR・AR技術を利用した新しい体験の提供にも5Gは適しています。
このように、5Gは場所を選ばず、高速で快適な通信を提供できる点で、外出先や緊急時の利用に最適です。それぞれの利用シーンにおいて、光回線と5Gの特徴をうまく活用することが鍵となります。
5Gがもたらすメリット
主な3つのメリットは「インターネット環境の向上」「IoTの普及」「精密な遠隔操作の実現」です。それぞれについて以下で解説します。
インターネット環境が快適になる
5Gにより、通信速度の超高速化、多数機器の同時接続、超低遅延などが実現し、インターネット環境のスペックが大きく向上します。回線が混雑すると速度が低下してデータのアップロードやダウンロードの完了まで待たされ、イライラさせられることが4Gの課題でした。
5Gでは、その症状が軽減します。Web会議など遠隔地間のやり取りもリアルタイムになり、ビジネスも生活もより便利になるでしょう。
IoTの普及が広まる
IoT(Internet of Things)とは「モノのインターネット」で、身の回りにあるすべてのモノがインターネットにつながることです。IoTが普及すれば、スマート家電や環境モニタリングなどインターネットやセンサーを活用して操作できる便利なモノが増えます。そのため、IoTの普及は生活を便利にします。
5G環境下ならスマートフォン経由でIoTを一括管理することも可能です。5Gでは同時に接続できる機器数が多いため、複数のIoTにも対応できるようになります。
自動運転や遠隔医療などの精密操作が可能になる
データ伝達の遅延が1ミリ秒程度と非常に少ないことが5Gの特徴です。そのため、リアルタイムに精密な操作が必要な遠隔作業などに5Gは向いています。
リアルタイムの道路状況に対応すべき自動運転や、患者の状態に応じた対応が必須の遠隔医療は通信の遅延が人命にかかわります。こういった分野の発展に5Gが寄与するのではないかと期待が寄せられています。
VR・ARを活用した新たな体験の普及
5Gの高速通信と低遅延性は、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)の普及を加速させ、新たな体験を私たちにもたらします。これらの技術は、すでにエンターテインメントや教育、ビジネスなど、さまざまな分野で革命を起こしています。
エンターテインメントの分野では、リアルタイムでのVRライブイベントが注目されています。たとえば、アーティストのコンサートやスポーツの試合を、現地に行かずとも臨場感たっぷりに楽しむことが可能です。5Gの低遅延性により、映像や音声が遅れることなくスムーズに配信されるため、まるで現場にいるかのような没入感が得られます。
他にも、小売業や観光業でも、ARを活用した新しい体験が広がっています。例えば、スマートフォンをかざすだけで商品の詳細情報や試着シミュレーションが表示されたり、観光地の歴史や解説が視覚化されたりなど、多くの分野で普及していくことが期待されています。
スマートホーム・スマートオフィスの推進
家庭やオフィス内のデバイスがシームレスに連携し、利便性と効率性が格段に向上するものが現実となります。スマートホームでは、5Gの多数同時接続(mMTC)の特性が、家中のデバイスをネットワークに接続する基盤となります。例えば、エアコンや照明が住人の行動パターンに応じて自動的に調整されたり、冷蔵庫が食材の在庫を管理して不足しているものを注文したりなど、日常生活をサポートするものが登場してくるでしょう。
スマートオフィスの分野では、業務効率化と快適な労働環境の実現が期待されます。例えば、会議室の予約や空調の調整が自動化されるほか、5Gを活用した遠隔会議では、高画質な映像と低遅延でスムーズなコミュニケーションが可能になります。また、IoTセンサーがオフィス内の人数や作業状況をリアルタイムで把握し、適切なリソース配分を行うことで生産性を向上させます。
このように、5Gは家庭やオフィスにおけるスマート化を一層進め、より快適で効率的な生活・労働環境を提供する基盤となるでしょう。
5Gにおける注意点
主な注意点である「利用エリア」「対応端末とプラン」「新たなサイバー攻撃対策」の3つについて、以下でそれぞれ、解説します。
すべてのエリアで利用可能ではない
5Gを利用できるエリアは順次広まっていますが、、全国すべての地域で利用できるわけではありません。
また、5Gは周波数が高いだけに障害物の影響を受けやすく、広範囲のカバーが困難といわれています。したがって、だれでも5Gを利用できるエリアが4Gほど拡大することはないかもしれません。
病院やスポーツスタジアムなど5Gの必要性が高い場所に用途と利用者を限定してピンポイントで特定基地局を設ける形(ローカル5G)で対応エリアが広がっていくとみられます。
5G対応端末の確認と5G対応プランの契約が必要
日本においては2019年が5G元年とされており、2020年頃からスマート機器のメーカーが5G対応端末の発売が始まりました。2020年以降、5Gに対応した端末は順次販売されていますが、対応した端末が5Gを利用でき、すべての端末が5Gを利用できるわけではありません。
また、5G対応プランの契約が必要です。5G対応プランに加入しないと、5G対応機種を利用していても、4G・LTEしか利用できません。
スマホキャリアの店舗や公式サイトで端末を購入した場合は、5G対応プラン変更への案内をしてもらえるため、プラン変更を忘れることはないでしょう。一方で、Apple Storeや中古店、オークションサイトなどで端末を購入する際には、5G対応プランに加入・変更し忘れがないよう、注意が必要です。
新たなサイバー攻撃対策が必要
5Gの活用によってインターネットに接続する機器が増えれば、サイバー攻撃の対象も増えることになります。また、総務省の「IoT・5Gセキュリティ総合対策」では、5Gのサービス開始に伴い、新たなセキュリティリスクの発生も指摘されています。
自動運転車や遠隔手術など、精密な操作が欠かせないものがサイバー攻撃にあえば、甚大な被害をもたらすでしょう。IoTが発展すれば便利になりますが、そこに付随するリスクへの対策を怠ってはなりません。
スマホは4Gで十分?5Gが必要ない人の特徴
スマートフォンの利用において、5Gが注目されている一方で、「4Gで十分ではないか」と考える人も多いでしょう。実際に、5Gの魅力は数多くあるものの、すべての人がその恩恵を受けるわけではありません。この記事では、5Gの必要性を見極める基準や、4Gを使い続けることのメリット・デメリットについて詳しく解説します。自分にとって最適な選択を見つける参考にしてください。
スマホ5G対応の必要性を見極める基準
スマホを5G対応にするべきかどうかは、使用目的やライフスタイルによって大きく変わります。まず、5Gは高画質の動画ストリーミングやオンラインゲームなど、大容量データを高速で扱う場面で威力を発揮します。そのため、日常的にこうした用途でスマホを使う人にとっては、大きなメリットを感じられるでしょう。特に、動画編集をクラウド上で行うクリエイターや、AR・VR技術を活用したエンタメを楽しみたい人には5Gは必須ともいえます。
一方で、インターネットの使用がSNSやメール、一般的なウェブ閲覧程度であれば、4Gでも十分な速度と安定性を提供します。また、5Gエリアがまだ十分に広がっていない地域では、せっかく5G対応端末を購入しても恩恵を感じにくい場合があります。そのため、自分の利用シーンをよく見極めることが大切です。
さらに、5Gは対応プランが4Gよりも割高になることが多いため、コストパフォーマンスも検討するポイントです。「現状の4Gでストレスなく使用できているか」「将来的にどのような用途でスマホを使いたいか」を考えたうえで、5Gへの切り替えを検討しましょう。
5G非対応端末の継続利用と問題点
現在4Gのスマホを使い続けることには、一定のメリットがあります。まず、4G非対応端末は購入費用が比較的抑えられ、通信プランも5Gより安価な場合が多いです。さらに、5G対応端末に切り替える必要がないため、現状の設備で日常的な利用を続けられるという手軽さも魅力の一つです。
しかし、一方で問題点も存在します。まず、5Gを活用したサービスが普及するにつれ、4Gの通信速度や安定性が物足りなく感じるシーンが増える可能性があります。たとえば、オンラインゲームの進化やクラウドサービスのさらなる高度化に伴い、4Gの遅延や速度制限がデメリットとして浮き彫りになるでしょう。
また、キャリア各社が5Gエリアの拡大に伴い、4Gインフラへの投資を減らしていくことで、今後、4Gネットワークのサービスが徐々に縮小する可能性もあります。これにより、将来的に4G非対応端末では利用できないアプリやサービスが出てくるリスクが考えられます。
5G非対応端末の継続利用は、現状では大きな問題を感じない場合でも、未来の変化に対応できなくなるリスクを考慮する必要があります。そのため、コストや使用感に満足していても、将来の需要を見据えて適切なタイミングでの切り替えを検討するのが賢明です。
4Gと5Gの切り替えのタイミングと注意
4Gから5Gへの切り替えを検討する際は、適切なタイミングを見極めることが重要です。現在、5G対応エリアは徐々に拡大していますが、すべての地域で十分なカバーがされているわけではありません。そのため、自分の居住地やよく利用するエリアが5Gに対応しているかを確認するのが最初のステップです。
また、切り替えのタイミングを考えるうえで重要なのは、自分が使っている端末と通信プランの更新時期です。キャリアのキャンペーンや特典を活用することで、5G対応端末への乗り換え費用を抑えられる可能性があります。例えば、新しい端末を購入するタイミングや通信契約の更新時期に合わせて、5Gへの切り替えを検討するとコスト効率が良いでしょう。
さらに、現在のスマホ利用状況を振り返ることも大切です。SNSやメール中心であれば4Gで十分ですが、動画編集や大容量ファイルのやり取りが増えている場合は、5Gへの切り替えが利便性を大幅に向上させる可能性があります。ただし、5G対応端末への切り替えには追加費用がかかるため、その投資が自分にとって妥当かどうかを冷静に判断する必要があります。
切り替え時の注意点として、5G対応端末は4Gよりもバッテリー消費が早くなる傾向があります。5G通信を頻繁に使用する場合、モバイルバッテリーの準備やバッテリー管理を考慮することが推奨されます。最終的に、自分の利用スタイルや予算に合ったタイミングで切り替えを進めることが成功の鍵となるでしょう。
5Gエリア外での通信品質の現状
5Gの普及が進む一方で、まだ5Gエリア外の地域が多い現状も見逃せません。5Gエリア外では、4G通信が引き続き主流となりますが、この通信品質に関しては一部課題も残っています。たとえば、都市部の高密度地域では、利用者数の増加により4G回線が混雑し、速度低下や通信不安定が発生するケースが報告されています。
また、地方や山間部では4Gエリア自体が十分に整備されていない場合もあり、通信速度が遅い、または接続が不安定になることがあります。このような環境では、5Gが利用できない以上、現状の4G通信に頼るしかありません。そのため、地方での5Gエリア拡大が待たれる状況です。
ただし、4Gエリアの通信品質がまったく劣るわけではなく、一般的なウェブ閲覧やSNSの利用であれば、十分に快適な速度が確保されています。また、大手キャリアは、4Gネットワークの安定性を維持するための改善策を進めており、一部地域では通信品質が向上しているケースも見られます。
5Gエリア外の通信品質における現状を踏まえると、5Gに完全移行する前に、自分のよく活動する地域や使用状況を考慮する必要があります。これにより、切り替え後の通信品質への不満を最小限に抑えられるでしょう。特に、移動が多い人や地方に住む人は、5Gエリアの拡大状況を定期的に確認し、慎重に判断することが求められます。
5Gで今後何が変わるのか
5Gにより、仕事のスタイル、災害対策、生活の便利さなども変化が生じるといわれています。それぞれ詳しく解説します。
仕事の仕方が変わる
農業や建設業などでは高齢化による人手不足が問題となっています。しかし、現段階では現地に行かなければ作業ができないような仕事も、5Gが整備されれば、自宅から遠隔操作で作業ができるようになるでしょう。他の業種においても、すべて自宅から作業ができるようになり、仕事のスタイルが変化するとみられます。
5Gの高速通信により、重いデータを扱う業務でもストレスなく対応できるようになります。これにより、設計図の共有やリアルタイムでの編集作業、VRを使った遠隔会議など、より複雑でデータ量の多いタスクも可能となります。これまでオフィスでしかできなかった業務が、場所を問わずスムーズに行えるようになるのです。
また、工場や建設現場では、5Gを活用したIoTデバイスやロボットが、作業の効率化と自動化をさらに推進します。特に、遠隔操作ロボットを活用することで、危険な環境での作業を安全かつ効率的に行えるようになります。これにより、働き方の多様化が進み、人材不足の解消にも貢献するでしょう。
さらに、クラウド上でのデータ管理が加速し、5Gの低遅延によりリアルタイムでの意思決定が可能になります。特に物流や医療など、時間が重要な業界では、5Gの導入によってより迅速で正確な対応が期待されています。
災害に強くなる
5Gが整備されれば、災害発生時でも、通信の高速化と安定性により、災害時の情報共有が迅速化し、被害を最小限に抑える可能性が広がります。
災害時には、避難所や被災地で多くの人々がスマートフォンやデバイスを使用して情報を取得しようとします。この際、5Gの多数同時接続機能(mMTC)が活躍し、通信混雑を防ぎ、安定したネットワーク環境を提供します。これにより、避難経路や救援物資の情報が迅速に共有され、被災者支援がスムーズに行えるようになります。
さらに、5Gの低遅延(URLLC)は、災害現場での遠隔操作やリアルタイム映像の共有にも役立ちます。例えば、ドローンを使った被災地の状況確認や、遠隔地からの救助ロボット操作が迅速に行えるようになります。これにより、救援活動の効率化と安全性向上が期待されます。
また、5GはIoTデバイスを活用した防災対策にも寄与します。センサーによる地震や洪水のリアルタイム監視が強化され、早期警戒システムの精度が向上します。これにより、住民が迅速に避難を開始できるため、被害の軽減につながるでしょう。
生活が便利になる
公共交通機関が整備されていない地方都市などでは車がないと生活が不便ですが、高齢のために運転免許を返納した人は、買い物や通院にも苦労します。5Gが普及すれば、地方都市で暮らす高齢者が自動運転の車を利用したり、遠隔医療を受けたりすることが可能です。
また、レジを通過するだけで会計が完了するなど、買い物にかかる時間や労力の軽減につながるなど、生活のさまざまなシーンで利便性が向上するでしょう。
教育や医療現場での遠隔操作の一般化
5Gの技術は、教育や医療といった社会インフラの向上にも大きく寄与します。まず、教育分野では、高速通信と低遅延を活かしたオンライン授業やVR教材の普及が進むでしょう。例えば、遠隔地に住む学生でも、都市部の学校や専門家の授業にリアルタイムで参加できる環境が整います。これにより、地域格差が縮まり、より多くの人が質の高い教育を受けられるようになります。
医療分野では、遠隔手術や診療が一般化する可能性があります。5Gの超低遅延性を活用すれば、医師が遠く離れた場所からでも正確に手術を行うことができます。特に、災害時や医師不足の地域では、この技術が救命率の向上に直結します。また、診断画像や患者データのリアルタイム共有も可能になり、より迅速で適切な診断が期待されます。
さらに、健康管理においても、ウェアラブルデバイスを通じて医療データをリアルタイムで収集し、5Gネットワークを通じて医師や家族と共有することで、早期発見や予防医療に役立てることができます。このように、5Gは教育と医療をより身近で質の高いものに変える可能性を秘めています。
5Gがもたらす新しいビジネスの可能性
5Gの普及により、これまでにはない新しいビジネスの可能性も出てきています。特に注目されるのが、自動運転やスマートシティ関連の分野です。5Gの低遅延と多数同時接続の特性を活用すれば、車両やインフラがリアルタイムで連携し、安全かつ効率的な交通システムが実現します。これに伴い、新たな移動サービスや物流サービスが生まれる可能性があります。
また、エンターテインメント業界でも5Gの活用が期待されています。例えば、VRやARを活用したライブイベントやショッピング体験は、5Gの高速通信によりリアルタイムで提供されます。これにより、イベント会場に行かなくても、自宅で臨場感あふれる体験が可能となります。
さらに、産業用IoTを活用したスマート工場も、5Gによって効率化されます。生産ラインの自動化やロボットの遠隔操作が進むことで、コスト削減と生産性向上が期待されます。また、小売業界では、リアルタイムの在庫管理やスマートレジの導入により、消費者体験が向上するでしょう。
これらの新しいビジネスチャンスを活かすことで、5Gは企業にとっても成長の鍵となります。特に、5Gに適応したサービスや製品をいち早く提供することで、市場での競争力を高めることが可能です。このように、5Gは経済活動に新しい価値を提供し、ビジネスの未来を切り開く技術といえるでしょう。
まとめ
5Gの特徴は超高速・多数同時接続・超低遅延です。これらは、インターネット環境の快適化やIoTの普及、精密な遠隔作業を実現し、生活やビジネスにおける利便性の向上が期待できます。一方、利用エリア、対応端末、サイバーセキュリティ対策の強化が必要といった点ではまだ課題もあり、とりわけスマホにスポットを当てた場合、私たち自身で5G対応の必要性を見極める必要があります。
イオンモバイルでは、2022年4月1日以降、5G通信サービスの提供をしております。現在、イオンモバイルをご利用中のお客さまで、5G通信に対応した端末をご利用中のお客さまは、日本全国のNTTドコモまたはauの5Gエリアでご利用いただけます。
マイページで5G通信をONにすることで利用でき、追加のご利用料金も発生いたしません。
豊富な料金プランからユーザーに最適なプランを選択できます。全国200店舗以上で販売・サポート対応しており、契約期間の縛りもありません。サポートも充実しています。ぜひ、検討してみてください。