SIMピンとは、SIMカードを入れ替えるときに必要な部品ですが、とても小さいため無くしてしまいがちです。SIMピンがどうしても見つからないとき、身近にある意外なもので代用できることをご存じでしょうか。
この記事では、SIMピンの代用品を3つ紹介するとともに、SIMカードの交換手順や作業時の注意点について解説します。ぜひ参考にしてください。
SIMカードとはどんなもの?
SIMカードとは固有のID番号が記載されたカードで、データ通信や通話を行うために欠かせないものです。ID番号からは、契約している携帯電話会社、料金プラン、電話番号などの情報が確認できます。
他社への乗り換えはSIMロックの解除が必要
大手通信会社(キャリア)である「ドコモ」「au」「ソフトバンク」の端末には、他社のSIMカードが利用できないようロックがかけられています。
かつて他社への乗り換えには、端末ごと買い替える必要がありました。しかし2015年5月、総務省によってSIMロックの解除が義務付けられ、以降はキャリア端末でも他社のSIMカードが利用できるようになっています。
SIMロックの解除方法は3種類
SIMロックを解除するには、次のいずれかの方法で手続きを行います。
・Webサイト:手数料無料
・ショップ窓口:手数料 税込3,300円
・電話(ドコモのみ):手数料 税込3,300円
尚、2015年5月以前に発売された機種は、ロックの解除ができません。また、ロックの解除ができる条件や手続きに必要なものは各社で異なるため、事前に公式サイトなどを確認してください。
SIMカードを交換するときの注意点
SIMカードを交換する前に、次のような注意点があることを覚えておきましょう。
SIMカードのサイズを確認
公式サイトの動作確認端末一覧などで、端末の対応SIMカードサイズを確認しましょう。SIMカードには次の3つのサイズがあります。
- 標準SIM:縦25×横15mm
- microSIM:縦15×横12mm
- nanoSIM :縦12.3×横8.8mm
2020年現在、ほとんどの端末が「nanoSIM」を使っていますが、機種によっては「microSIM」を使用していることもあります。使用する端末に合ったサイズのSIMカードを選ぶようにしてください。「標準SIM」「microSIM」「nanoSIM」の3種類のサイズに切り離して使うことができる全サイズ対応の「マルチSIM」もあります。
チップ部分に触らない
SIMカードは精密機器です。チップ部分に皮脂や汚れ、ほこり、水分などがつくと不具合の原因になります。なるべくチップに触れないよう、取り扱いには十分に注意しましょう。
また、静電気の発生にも注意が必要です。SIMカードを取り出す前に手のひらを壁や机につけるなどして、身体にたまった静電気を逃がすようにしてください。
SIMカードやトレイを無くさない
SIMカードおよびSIMカードを乗せるトレイは、とても小さな部品です。作業中に見失うことのないように気をつけましょう。また、作業中の置き場所にも注意したいところです。ほこりっぽい場所や濡れたところに置かないようにしてください。
SIMピンを使うときの注意点
SIMピンを使わずにトレイを取り出せる機種もありますが、SIMピンを使用するときは、ピンの角度や力の入れ具合に注意しましょう。また、作業前に必ず端末の電源を切るようにしてください。
SIMトレイは「スロット」と呼ばれる細長い枠に格納されています。スロット部にある差し込み穴にまっすぐSIMピンを入れ、カチッという音がするまで押し込んでください。SIMトレイが押し出されたらピンを抜き、指でトレイの端を持ってそっと引き抜きます。
SIMピンがない!おすすめの代用品3選
SIMピンが不要の機種もありますが、基本的には購入時の付属品として入っています。SIMピンを無くしてしまったときは、次に紹介する身近なもので代用できます。ただし、使用に関しては自身の責任の範囲内で、慎重に行うようにしてください。
ペーパークリップ
さまざまな種類・サイズのペーパークリップがありますが、標準サイズの「ゼムクリップ」がSIMピンの代わりになります。Appleやドコモでも代用品になることが明言されています。プラスチック製やビニールコーティングされたものではなく、銀色のごく一般的なものを使用してください。
外側の部分をできるだけまっすぐ伸ばして使用します。SIMピンとほぼ同じ太さのため、比較的使いやすい代用品です。
安全ピン
ペーパークリップと同じく、標準サイズの安全ピンはSIMピンとほぼ同じ太さです。安全ピンも、差し込む部分がまっすぐになるように伸ばして使用します。SIMピンとは違って先端部分が針になっているため、伸ばすときや作業中には指に刺してケガをしないように注意してください。
シャープペンシル
シャープペンシルのガイドパイプ(芯が出てくる先端部分)も、SIMピンの代用品になります。細くストレートなものなら、SIMトレイのスロット穴に入ります。芯が折れて端末の中に入ってしまうと故障の原因になるため、芯を出さない状態で使用してください。
【iPhone/iPad】SIMカードの交換手順
iPhoneおよびiPadでのSIMカードの交換手順について解説します。
手順1.電源を切る
データ破損などのトラブルを防ぐために、必ず端末の電源を切ってから作業を始めます。端末の取扱説明書があれば、念のため手元に用意しておきましょう。SIMカードはデリケートな精密機器であることを意識し、手についた汚れや作業場所のホコリなどには注意してください。飲み物が入ったカップやグラスも、手が届かない場所に移動させておきましょう。
手順2.SIMトレイの位置を確認する
SIMピン用の小さな穴がある細長い枠(スロット部)を確認します。ちなみにスロットの場所は、iPhone4以降のiPhone/iPadでは端末の右側面に統一されています。位置は機種によって異なりますが、端末の右側面を確認するようにしてください。
手順3.SIMカードを交換する
無理な力をかけないように注意しながらSIMピンを差し込み、SIMトレイを引き出します。SIMカードのいずれかの角に切り欠きがあります。切り欠きの位置をSIMトレイの形に合うよう新しいSIMカードを載せ、トレイをスロットに戻してください。また、SIMカードを交換するときは、チップ部分に触れないように気をつけましょう。
手順4.APN設定を行う
インターネットを利用するには、「APN(アクセス・ポイント・ネーム)設定」が必要です。次の手順で設定を行ってください。
- モバイルルーターやフリーWi-Fiなどを利用してWi-Fiに接続し、ブラウザを開く
- 新しいSIMカードの通信事業者名と「構成プロファイル」を検索窓に入力し、検索する
- 該当するページを開き、インストール用のリンクをタップする
- 構成プロファイルの表示を確認するポップアップが表示されたら「許可」をタップする
- インストール画面が表示されたら「インストール」をタップし、画面の指示に従って操作する
- インストール完了画面が表示されたら「完了」をタップし、インターネットに接続できるかを確認する
【Android】SIMカードの交換手順
Android端末でのSIMカードの交換手順について解説します。
手順1.電源を切る
シャープなど国内メーカーの製品のなかには、SIMカードトレイを引き出すと自動的に再起動がかかる仕様の機種があります。データ破損などのトラブルを防ぐために、必ず電源を切ってから作業を行ってください。取扱説明書があれば手元に用意しておきましょう。
手順2.SIMトレイの位置を確認する
Android端末のSIMトレイの格納場所は、メーカーや機種によってさまざまです。SIMピンを使わずに取り出せるタイプもありますし、裏ブタを外して取り出すタイプもあります。「スロット位置がわからない」「SIMカードがどこにあるのかわからない」といった場合は、取扱説明書やメーカーの公式サイトなどを確認してください。
手順3.SIMカードを交換する
SIMピンの差し込みやトレイの取り出しに無理な力をかけない、SIMカードのチップ部分に触れないなど、前述の注意点を意識しながら慎重に作業してください。新しいSIMカードをSIMトレイの切り欠きの位置に合うようにセットし、元の状態に戻します。
手順4.APN設定を行う
Android端末でのAPN設定は、次のような手順で行います。機種によっては項目名などが異なりますが、作業の流れとして参考にしてください。
- 「設定」アイコンから「無線とネットワーク」→ 「モバイルネットワーク」→「アクセスポイント名」の順にタップする
- 画面上の縦三点ボタンをタップして、「新しいAPN」を選択する
- SIMカードの説明書などを見ながら必要な情報を入力する
例:イオンモバイルの場合
APN:i-aeonmobile.com
ユーザー名:user
パスワード:0000
認証タイプ:PAPまたはCHAP - 設定を保存し、APN一覧で新しく設定したAPNを選択する
古いSIMカードの処分方法は?
通信事業者への返送が求められることもありますが、基本的には自分で処分して構いません。SIMカードには個人情報が保存されているため、クレジットカードやキャッシュカード同様、切り刻んでから捨てるようにしてください。また、ごみの出し方は自治体の分別方法に従うようにしましょう。
まとめ
端末を新しく買い替えなくても、SIMカードを入れ替えれば格安通信サービスが利用できます。
イオンモバイルは、全国200店舗以上のイオンで販売やサポートを行っているため、SIMカードの入れ替えをはじめ、わからないことや困ったことを直接相談できるのが嬉しいところです。また、豊富に料金プランがあり、使い方によって最適なプランを選べます。契約期間の縛りがなく、解約金も不要なため、試してみてはいかがでしょうか。
※当ページの内容は2020年10月時点の情報です。